エクセルの基本的な考え方
メーカー・取引先・お客様・上司・同僚・部下・その他etc… たくさんのExcelデータを見てきましたが、以下の様なエクセルデータを目にする事が非常に多いです。要するに統一性(ルール)のないデータ。

大事なのは「想い」
得意・不得意はそこまで関係なく、大事なのは見る人を想像して作成したか否かだと思っています。
人によっては「見た目に無駄な時間掛けるなよ・・・」と思う方もいますが、慣れてしまえばそこまで時間が掛かるものでもありません。いくら数字が正しくてもデザインが悪いと頭にスッと入ってこないものです。それだけ視覚情報は重要なのです。
デザインを疎かにすると閲覧者が内容を理解するまでに時間が掛かったり、誤解を与えてしまったり、会議やミーティングの時間が長引いてしまう要因にもなります。
エクセルデータは一人歩きしがちです。
知らない会議で使われたり、経緯や詳細を知らない方にメールで共有されたり、社長が見たり新入社員が見たり。もはや自分が説明・補足する事のできない状況で好き勝手に使われる訳です。その為、出来る限り曖昧な名称や表現は使わずに、第三者が見ても理解できる資料を意識しましょう。
良いデータを作ったからと言って褒められる事は少ないですが、手を抜いたデータを作ると知らないところで悪者にされる事もあります。損得はあまり考えたくないですが、いつも全力のデータを作っておきましょう。知らないとこで悪く言われてたらムカつきますよね(笑)。逆に見てる人は見てくれてます。
自分ルールを決める
組織やグループ内である程度ルールが決まってると良いですが、それができない場合はまず自分ルールを決めておきましょう。サンプルを作ってみましたので参考まで。
- 上と左に1~3(行・列)くらい間を空ける
- 数字とアルファベットは半角
- カタカナは全角
- 一番上のカテゴリ名称は中央寄せ
- 金額は書式設定で「通貨」にして右寄せ
- 名称は「商品〇〇」でスペースや括弧は入れない
- ㈱や(株)は「株式会社」にしてスペースは半角
- フォントはメイリオでサイズは9~10pt
- 色は紺色と水色ベースで最大3色まで
- 極太の罫線は使わない

自分の中でルールを決めてそれに従ってデータを作成するだけで明らかに完成度が変わります。色々な人が色々な目的でエクセルデータを見るので、見た人があまり考えなくても要点を見つけられる事をイメージしながら作りましょう。何時間かけて作っても見られるのは数分です。秒で理解させる事ができれば貴方の勝利です。
※内容によりますが、名称は左寄せの方が良いかもしれません
ルール化の重要性
実はコレ単なる見た目の問題ではなく、データを関数などで計算・集計する場合にとても重要なポイントになります。もちろんピボッドやアナログ作業でデータを集計するのも良いですが、ルールを決めて作成する事でデータベースとして活用する事も出来るのです。
データベースとして使う場合、以下はそれぞれ全く違うものとして認識されます。
- 「商品A 」と「商品 A」
- 「(株)ABC」と「株式会社ABC」
注意点
あまり見た目に拘りすぎるとデータベースとして使い難くなったり、それ以降のデータの追加や更新に手間が掛かる可能性もあります。継続的に使用するExcelデータはできる限りシンプルに作りましょう。あなたの後任者が使う事もありますので、ガチガチにルールを固めすぎるのも良くありません。
- セルを不規則にたくさん結合する
- 1行ずつ交互に色を変える
- 行の高さや列の幅を無闇に変える
Excelの用途

よくあるのは以下の4パターン。
- データで共有【閲覧用】
- データで共有【入力用】
- 印刷して資料として使う
- データベースとして使う
データで共有【閲覧用】
Excelで作成した資料などをメールに添付したり共有フォルダやクラウドで誰かとデータ共有するケースです。自分だけではなく誰かに見せる資料は見る人の事を考えて資料を作成するのが基本です。
お客様や取引先の時だけ気を使うのではなく、常に見やすさを意識して作成する癖を付けておくと、その継続がやがて自らを助けるスキルになります。また、相手が印刷する事も想定して事前に印刷設定をしておくと尚良いです。
データで共有【入力用】
例えば100名の従業員に「血液型を入力して返信して下さい」と、入力用のエクセルをメールで送ります。エクセルは基本的にフリーワード入力なので、入力にバラツキが発生します。
- A型
- A型
- A
- エー
- Aです
- D型
全角・半角・「型」があったり無かったり・「です」等のフリーワード・存在しない血液型(入力ミスなど)。対象者が多ければ多いほど「何故こんな入力するんだ・・」という事が必ず起こります。血液型の様に選択肢が少ない場合はプルダウンにしておくなど、目的に応じて事前対策が必要です。
印刷して資料として使う
特に印刷系のデータは誰がいつ作ったのか分からなくなる事もあるので、作成日と作成者を入れておくと良いです。
データベースとして使う
印刷する可能性は低いと思いますが、それ以外は今までの注意点を日々意識してエクセルを作成していれば、自然と正しいデータが拾える価値の高いエクセルになっているはずです。
まとめ
仮に今は印刷したり誰かに見せる機会が無いとしてもデータベースという概念はこの先とても大事になってきます。これから少しずつ関数やマクロを覚えていくと、その重要性を強く感じるはずです。そうなると自然と自分のエクセル作成ルールも固まってくると思います。
見た目の重要性
エクセルのスキルアップを目指す方は、まずは今までより少し見た目に拘って作成してみてください。
- 自然と興味を持ってくれる・印象に残る
- 直感的に内容が分かる
- 知りたい情報を探しやすい
- 間違いを見つけやすい
他にもたくさんメリットがありますが、特に①の相手に興味を持って貰う事は非常に重要です。何も考えていない資料は「見てみよう」という気持ちにもなりません。見た目の効果は②–④などの業務効率化にも繋がります。作り慣れてしまえば手間にも感じなくなります。
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